≪ 2017 09   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 - - - -  2017 11 ≫
*admin*entry*file*plugin| 文字サイズ  

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


鏡心月 其の弐 「 紅 」

昨日も、一昨日も、その前の夜も

夜空を見上げて何を思うた

月を見上げて

何を思うて
泣いた





「 鏡心月 」




其の弐 「 紅 」




長屋に帰り、髪を手ぬぐいで拭いたおりょう。
それでもまだ胸の高鳴りはおさまらない。



一瞬

私の手が

七之助さんの手に包まれた。



傘を私に持たせようとした七之助さん。
雨に濡れながら私を見送ってくれた七之助さん。

ゆっくりと丁寧に押しあてるようにして傘を拭く。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



おりょうはその夜
夜具に入ってもまだ親身にしてくれた七之助のことを想っていた。
もういい加減寝なくては、と思ったその時。


そや!

お礼・・・。
何かお礼がしたい。

私に何ができるやろ。


いてもたってもいられなくなり
灯をともし、裁縫箱と裁ち残りの端切れを出す。



なにを?



筆入れは?
筆入れをこさえよう。



その思いつきは、おりょうの心を躍らせた。



七之助さんのことを思いながら

布を裁ち

ひと針ひと針縫う



なんて幸せなひとときやろ。



なんて満ち足りた時間やろ。



もうひと頑張り。

そして

あともう少し。




できた!




こんなもの、迷惑に思うやろか?

小さな不安が胸をかすめる。



ううん。
七之助さんはきっと
ありがとうって笑うてくれる。



外は明るくなり始めていたが、ちっとも眠くない。

もうじき、明け六つ時。
朝御飯を炊く音や匂いが長屋のあちらこちらから感じられる。

おりょうは幸せだった。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





一日の仕事の終わり。

魔が差すとは、こんな時を言うのやろか。


私は七之助さんに少しでも良く思われたくて

いつもはつけない

薄く紅い


紅をさした。










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

どこかの 誰かにも 私の毎日を読んでもらえたらいいなぁ。
ランキングに参加してみます。
押していただけたら 励みになります。ありがとう!

にほんブログ村 ポエムブログへ



この記事へのコメント

おひさしぶりだねののみん
5日ぶりに来たら更新むっちゃしててびっくりやわ
まぁひととうり読んだけどね

最近恋愛系の物語読むと
ふって涙が出てしまうわ
ののみんのおかげでいい涙が

おりょうさんがかわいくみえてしまう
七之助さんのために
月読橋に行って
手が触れたことにドキドキをして
七之助さんのために筆入れこさえて
人を想うことはこんなにも
美しいことなんだね
おりょうちゃん、女心ですね、うんうん 私もキットそうするよ
一針一針縫っている時の幸せ解るよ、片思いで満足するリンダとしては、それだけで満足してしまいます。私もきっと眠れない
竜希ちゃん。

うふ♪そやねん。たくさん更新した~。
突然、詩を書きたくなって・・・。
ずっと小説ばかり書いてたからかなぁ。

> ふって涙が出てしまうわ
恋の物語を読むと涙腺がゆるむのん?
そっかそっか♪優しい気持ちになってるからかなぁ。
恋してるからかなぁ。

> おりょうさんがかわいくみえてしまう
ほんまに?ありがとう~竜希ちゃん!嬉しいわぁe-420

> 人を想うことはこんなにも 美しいことなんだね
ほんまやね。
そして
竜希ちゃんが言ったこの言葉も美しいし
そういうふうに思った竜希ちゃんも美しいね (*⌒ー⌒)





リンダちゃん。

> おりょうちゃん、女心ですね、うんうん 私もキットそうするよ
そうやよね~e-266女心がそうさせるんよね v-410

> 一針一針縫っている時の幸せ解るよ
ひと針ひと針・・・その地道な作業が素敵な小物を完成させて。
お料理も似ているよね。そんな小さな作業が美味しいものを生み出すし。

> 私もきっと眠れない
うんうん。私も徹夜も平気♪♪
普段は布団に入って2秒で意識不明になるタイプやけどe-415
↑↑ 家族や友人に感心されてます。
『一つ積んでは母のため、二つ積んでは父のため』
なんて童謡がございましたが・・。

おりょうどんが一針、二針と縫い返すは
積む石の如く体積のある愛情が織り込まれ
「ハンドメイドとはかくあるべき」といふ、
言うなれば壁カジの心中を代弁するかの如くの
物語なのだと思ったりしちゃったり
しないわけでもない(どっちじゃ)

明け方でも疲労を感じないのは
愛とトキメキのチカラ。
魔が差したのではなく
眞(まこと、だ)が差したのだ。
月に照らし出された眞の心が差したのだ。
だから紅を塗っちゃったのだ。

ちなみにワイはお返しなら
絶対に食いモンじゃなきゃやだ(`∇´)

訂正さ。

「一つ積んでは・・」ではなく

「一重積んでは母のため、二重積んでは父のため」

だ。

それに動揺ではなく民謡であった(T皿T)
このコメントは管理人のみ閲覧できます
壁カジさん。

> 「ハンドメイドとはかくあるべき」といふ
( ̄○ ̄;) なんでそんなに言い当てれるん壁カジさん。
も・も・もしかして私の頭の中身、洩れてる?
朝までかかって、筆入れを縫い上げるエピソードは
本来はこの物語の中には無い要素で・・・。
何故なら、私は今まで手作りをしてこなかったし料理も渋々作る毎日。
でも、壁カジさんとリンダちゃんを見てきて
いっぱい刺激や影響を受けてずいぶん考え方が変わりました。
まぁ、本当の意味でハンドメイドの事を理解できてるかどうかは別として・・・。
壁カジさんとリンダちゃんのように、作れたら素敵やな~と
物語の中で実現させてみたのでした。

> 月に照らし出された眞の心が差したのだ。
月に照らし出された眞の心が紅をさした・・・
月は私の心をうつす鏡やから。

> 絶対に食いモンじゃなきゃやだ
ぷ!お子ちゃま。

食べ物が一番って事はCOCOHANDを楽しみに訪れる人全てが
じゅうじゅう承知していると思われます♪
壁カジさん。

そっか。その童謡、知らへんなぁ・・・。

で、終わりそうだったのが
かえって、興味をそそる結果に♪♪
メビウスと一緒に検索かけてみます。





鍵コメ様。

なんで、鍵コメなん(爆)
この記事へコメントする















 ののみ

Author: ののみ

日々のこと
過去のこと

今日の私
あの頃の私

ゆっくりと綴っていきます

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。